【賢者の言葉】ワクチンの生みの親の失敗

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「若い頃から私は、谷間の道を歩むように
静かな人生を求めてきました。
それなのに晩年の今になって、
どうして我が身を山頂へ運んでいけましょう」

こちらはイギリスで外科医をしていた
エドワード・ジェンナーさんの言葉。
私がその昔に書いた
『奮い立たせてくれる科学者の言葉90』から
紹介しました。

5月14日は、
彼が「種痘」の接種に成功した日なのだそうです。
つまり、天然痘のワクチンで、1796年のこと。
牛から感染する「牛痘」の抗体を人につけることで、
天然痘にかからなくなるという効果を発見してからの
医学的成功でした。

それからおよそ200年、1980年に
天然痘は世界から撲滅されました。
また、彼が切り開いたウィルス学の道は、
現在でも新型コロナのような脅威から人類を守ることに
寄与しているわけです。
その点では彼の功績は大きかったといえます。

ただ1796年の種痘成功の日、
彼はその功績にもかかわらず、
大批判されることになったんです。
それは最初の実験対象者に、経済的に逆らえない立場だった
使用人の子供を選んでいるんですね。

研究に自信をもっているんだったら、
まず自分が打てよ……と。
金にものを言わせて、貧しい身分の子を
真っ先に被験者にしたのは、ちょっと卑怯ですよね。

ただ、いくら自分の発明とはいえ、
体に異物を打つことは、やっぱり怖かったのでしょう。
それは現在、コロナワクチンの3回目接種が、
若い人で広がっていないことでもわかります。
基本的に「打たなくて済むなら、それで済ましたい」というのが
多くの人の本音なんでしょうね。
私だってそう思いますもの。

とはいえ、結局は皆に
「打っても大丈夫だよ」という勇気を与えられたから、
天然痘の撲滅は成功しました。

「ワクチンは怖いよ」という心配は
普通の人にあるのでしょうが、
結局は現在、世界で経済活動をほぼ復活させているのは、
ワクチン接種率の高い国々です。
そうでない中国は、今になって大混乱になっています。

結局は人間の力を信じられない人が、
人間のつくる世の中では、
損をするんだなというのが、
世の中の流れにはなっているんですね。

結局、ジェンナーさんが種痘を開発したときも、
「そんな危険な薬物を打つと、世界は大変なことになるぞ!と
言う人々はいたんです。
それから220年以上の歴史を見れば、
むしろ種痘の発明がなかった場合のほうが
どれほど怖いかしれません。

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