文化の日だからこそ、価値を語り継ぎたいもの

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夏川が現代語訳した3冊の古典、
『武士道』(新渡戸稲造・著)
『茶の本』(岡倉天心・著)
『努力論』(幸田露伴・著)
(いずれも致知出版社)

並ばせていただいたのは、
11月3日の今日にちなんで。
「文化の日」の休日になっていますね。

「文化の日」の意味は、
「自由と平和を愛し、文化を進める日」
となっていますが、
それでは何の日だかよくわかりません。

一体何を記念した日なのかといえば、
戦争が終結した1946年に
「日本国憲法」が公布されたこと。

憲法は翌年の5月3日に施行され、
この日は「憲法記念日」になっています。

でも、実は11月3日は、
憲法が交付される前からずっと休日だったんです。
何かといえば「明治節」という日。
つまり明治天皇の、お誕生日だったんですね。

大正、昭和も、明治時代への敬意ということで、
「明治節」は維持されていました。

その日が、なぜか憲法の公布日と重なった……。
決して偶然ではありますまい(笑)

何かと国粋主義を排除ということで、
GHQから取り上げられた
「明治よりの伝統」ですが、
日本を近代化へ導いた陛下への尊敬を込め、
この日を新憲法の公布と重ねて残したんですね。

それで明治節は日本人に大切な
「文化」を記念した日に生まれ変わった。
明治のころの文明開化を意識しているのでしょう。

ただ、「明治の文化」といっても
その特徴は「欧米化」であって、
日本が引き継ぐべき価値観は、
実際のところはもっと前からのものでしょう。

でも、欧米に追いつこうとした変化の時代だからこそ、
明治には自国の文化価値を見直そうとする
優れた論考も生まれていった。

これが明治期の文学作品であり、
まさに『武士道』『茶の本』『努力論』は、
そんな時代の中で生まれているんですね。

『武士道』と『茶の本』は、
英語で日本文化を欧米に紹介した本
『努力論』は私たちの指針1912年、大正元年と重なっていますが、
まあギリギリOKとしてください。

日本の文化を、改めて考えるこの日。
古典の価値を永続させるようなプロモーションも、
ぜひ積極的にやってほしいですね。

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