天才に天才のよきライバル

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「自然が地質学的時代を通じて
積み重ねたものに比べて、
人間が生み出したものは
いかに貧弱なものであろうか」

こちらはチャールズ・ダーウィンの言葉、
『種の起源』の中の一節ですね。

11月24日は、この『種の起源』が
発表された日だそうです。
それで「進化の日」になっているとのこと。
1859年のことでした。

この本の1年前に、
じつは自分の説をダーウィンは
論文で発表しています。
だから『種の起源』が、
進化論の初公表ということではなかったんですね。

ただし、このときの論文、
じつはダーウィン単独ではなく、
「共著」だったんです。
共同研究者は「進化論」の元祖とも言われる
アルフレッド・ラッセル・ウォレスさんでした。

ウォレスさんはダーウィンより先に、
進化論のアイデアを思いついた
やはり天才的な科学者でした。

ただダーウィンのような「自然淘汰」という
大それた考えにまでは踏み込まなかった。

それでも先行者だったダーウィンはウォレスに会い、
先行者なんだから、自分が論を発表される前に
偉業を称えられるべきだと説得。
結果、ダーウィンの論文にウォレスの論文を添えて、
共同で発表することになったわけです。

ウォレスの論文を出させたのは、
自分の論がより完成されていることを知った
ダーウィンの策略だったとも言われます。

ただ、実際にはウォレスはダーウィンに感謝し、
ずっと彼の支援者になったことは事実のようです。

実際、著名人になっていたダーウィンですが、
進化論のインパクトは
「神の偉業を否定した」ということで、
大批判を受けたことも事実なわけです。
いまだに世界には、
宗教的な理由で進化論を受け入れない国も
多くあります。

そんな攻撃に対し、ウォレスさんは一生懸命に、
ダーウィンの擁護をしていたそうです。
お互いにこの2人は、
お互いをリスペクトしていたのでしょうね。

彼らの研究は、いろいろ捻じ曲がった解釈で
世界を激変させもしました。
でも、現在になって再考され、
あらためて「人間は自然の一部に過ぎない」ことは、
自覚されるようになっていますね。

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