悪夢を見たら、観音様へ

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こちらは先日に紹介した、世田谷の観音寺です。

聖観世音菩薩像と特攻観音がお堂の中にありますが、
唯一、外に出ていて姿を見られるのが、こちらの観音像。
「夢達観音」とありますね。

夢達観音、あるいは
「夢違い観音」とも言われますが、
どこかで聞いたことがある。

そう、法隆寺にある国宝の像ですね。
飛鳥時代に造られた銅像で、
同じように正面を向いた1メートル程度の像です。

この観音像の持つ力というのは、
悪夢を「いい夢」に変えてくれることだそうです。
それで日本全国にレプリカが作られ、
いろんなお寺に置かれるようになりました。

でも、悪夢を変換することに、
それほど需要があったのだろうか?

そもそも観音様というのは、
「観世音菩薩」という“半神様”みたいな存在です。

半神様というのは、「いまだ修行中」ということで、
神というか、正確には「如来」という
悟りを得た最高存在になるために
まだ努力をしているところ。

その修行の内容が、
自らの特別な能力を使って人の役に立つこと。
その1つに「災厄や悪夢を除去すること」
というのがあるんですね。

でも、よく考えると、不思議な気もする。
実際に起こった「災厄」と、
何も起こってはいない「悪夢」が
同列に語れるものなのか?

あった。というのも古代の人は、
「悪夢」として起こったことは、
「必ず現実に起こること」と考えたんですね。
夢の力をかなり大きく捉えたわけです。

だから「いい夢」を見た場合は、
「その夢を誰かに売ります!」と
競売にかけられたこともあったとか。
それで平安時代、役職が出世した!
なんて喜ぶ人も案外といたそうです。

逆に悪い夢を見た場合は、
何としてもそれが起こる前に
打ち消す必要があった。

そこで観音様にお参りするとともに、
平安時代は「陰陽師」と呼ばれる人たちが、
夢を封じるような措置をしたわけです。
なるほど妖怪退治と同じように考えていたんですね。

案外とこうした悪夢封じというのは、
江戸時代まで日本に存在していたとのこと。
だから「夢達観音」というのも
世の中に多く残っているんですね。

まあ夢「悪夢に悩んでいる」という方は、
安心感を得る意味でも、
観音様に頼ってみる手はあるのかもしれません。

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