七夕の日の、時間と空間を越える発想

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7月7日の本日は、
「七夕の日」ですね。

天の川を挟んで、織姫(ベガ)と
牽牛(アルタイル)が、
1年に1度、会合する日となります。

だいたいにして、梅雨で
雨の降っていることの多い七夕です。
ところがなぜか東京は画像のように、
昨日から嘘のように快晴になっていました。

頑張ればそれなりに、
星は見えるかもしれませんね。

でも、毎年、梅雨のシーズンに迎える七夕、
どうしてこんな日に、
織姫と牽牛と会うんだろうな?
と思っていました。

実はそれ「間違い」で、
他の日本の行事と同様、江戸以降の習慣は、
本来は「旧暦」で考える必要があるわけです。

するとかつての7月7日は、
現代の8月の半ば頃。
仙台の「七夕祭り」などは
まさにその時期に行なわれるのですが、
当然ながら梅雨は明けています。

それと同時に、月も半月だったりして、
夜の空を見上げやすい時期にぶつかっていた。
このとき天の川は、まさに天頂に流れているような
状態になっていたわけです。

想像してみてください。
夜空を見上げれば、頭上に天の川の光の帯。
こっちを見れば、織姫様が輝き、
反対側では牽牛様が輝いている。
「やっと会えたんだな」なんて考える気持ちは
わかりますよね。

今でもかなりの郊外でないと
見ることはできないかもしれません。
でも、そんなスペクタルが想像できないと、
私たちは「七夕」を、
本当のところ理解することはできないんですね。

最近、私は古典に関わるようになってから、
こうした時間的なスライド発想をするようになりました。

でも、それまでは当たり前のように、
「七夕=7月7日」という感覚だから、
過去の人々の発想が理解できない。
現代人は得てして、こんなふうに
「時間と空間の壁」を越えることを
苦手にしているんじゃないかなと思います。

でも、こうした壁が、いまはウェブの進化で
変わろうとしています。

たとえば「江戸バース」というプロジェクトがありますが、
ここでは参加者が自分のアバターを作り、
タイムスリップした江戸の街で皆が出会うことになり。

今存在している自分の時間軸を外さない限り、
ここで自由に振る舞うことはできないでしょう。

グローバル化も同じで、
自分の文化、自分の常識にとらわれている限り、
私たちは異文化を理解できない。

そんな制約を越えるのにも、
「時間をスライドさせて考えてみる」ということは、
試みていいかもしれませんね。

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