「ガマの穂」の魅力

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画像は亡き父の誕生日に
仏壇に飾ってあった花。

スーパーで買った仏花の割には、
なかなか粋だな……と思うのは、
真ん中「ガマの穂」ですよね。

この花だけど、花に見えない異物、
でも、なんとなくあるとアクセントになりますよね。
神聖な感じがする上に、
他の花を際立たせる存在になります。

一体誰がこれを生花とか、
切花に使おうと考えたのか……?
美しいものだけを使用するのでない。
この辺は実に、
「日本的な美の発想」という気がしますよね。

この「ガマの穂」、ひと昔の日本では
非常に「便利な植物」として
使用されたものでした。

何より「傷薬」として、
薬草の代表的な存在だったものです。

有名なのは「因幡の白ウサギ」ですが、
サメか、あるいはワニに
毛をむしり取られたウサギに対し、
「大国主の命」はガマの穂を処方するわけです。

傷薬として使われる以外に、
ふわふわの綿毛は、敷物の中身として
ずっと使用されました。

「蒲団」と書くと、
「蒲=がま」ですよね。
だから「気持ちのいいもの」の象徴として、
このふわふわの穂は考えられていたわけです。

他にも「蒲鉾=かまぼこ」も、
「蒲焼=かばやき」も、
出来上がりがこの穂の形に
似ていることからのネーミング。

都会の人はこの穂を見ることもほとんどありませんが、
日本人にとっては古くから生活に密着した
馴染みの植物でした。

それが仏花に使われる……というのは、
どこか子供の頃を思い出させる
ノスタルジア的な発想があるのかもしれません。

また機会を作って
どこかで野生で生えている光景を
見に行きたいものですね。

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