「シラサギ」という鳥はいない!?

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東京に桜で有名な「目黒川」がありますが、
中目黒からずっと上流へ上がっていくと、
246号線と交わる青葉台の付近で川は終わり。
その後は地下に入り、暗渠になっています。

ただ、向こう側の池尻大橋では、
「目黒川緑道」という、
申し訳程度の「せせらぎ」が作られ、遊歩道になっています。
雰囲気だけですが、ここからも「川のある風景」が
味わえるようになっているんですね。

水は申し訳程度に流れる程度、
靴の高さにも満たない深さですが、
それでも魚がいるどころか、こんな奴らが来ていたりする。
シラサギですね。

いきなり街中で、
手を伸ばせばつかめるような位置にこれがいるので、
ちょっと驚きですが。
近くにいた子供たちは、喜んでいましたね……。
とはいえ、結構大きいから怖くもありますが。

ところで、「シラサギ」なんて言ったのですが、
じつは生物学的に、
シラサギという鳥はいないのだそうです。

「えっ? ここにいるじゃん!」と思うのですが、
シラサギと呼ばれる鳥は、日本に4種類。

ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギ……と。

大中小と大きさで区分しているのですが、
実際は同じ程度の大きさのものが多く、
皆、だいたい一緒にいることも多いので、
大きさで区別するのは難しいとのこと。

そこで野鳥のサイトを見ると、
クチバシと、その付け根の目元の色で
区別できるそうです。

(冬)
ダイサギ……クチバシは黄色、目元も黄色
チュウサギ……クチバシの先端が黒
コサギ……クチバシが黒で目元は黄色
アマサギ……冬に日本にいない
(夏)
ダイサギ……クチバシは黒、目元は緑
チュウサギ……クチバシは黒、目元が黄色
コサギ……クチバシは黒、背中に「冠毛」が生える
アマサギ……クチバシも目元も黄色

そのほか、鳴き声も違うようですね。

そうすると、すぐ近くにいたこの子は、
冬に黒いクチバシで、背中に生えかけの
ポニーテールのような毛も見えるから、
たぶん「コサギ」なのでしょうね。

偉そうでいて、まだまだ小物だったようです。
まあ、頑張れよ……(笑)。

でも、なんでこんなややこしいことになっているのか
といえば、
最初に総じて「シラサギ」と呼んでいたのが、
後でたくさんの種類がいるとわかったから。

仕方ないとはいえ、後先を考えない分類整理の
失敗例……みたいな感じか。

不思議と皆が一緒にいても、
生物上ではお互いをちゃんと区別していて、
混血は滅多に生まれないようです。
私たちから見れば、人間の個体差以上に
違いがわからないのに。
面白いですよね。

ぜひぜひ水場で見たら、観察してみてください。

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