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「昭和」の意味と、伝説の王
- 2025/4/30
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4月29日は「昭和の日」でした。
かつての昭和天皇の誕生日ですね。
そこで昭和時代を思い返すようなことが、
よく特集されるのですが、
なんせ軍国時代があり、アメリカとの大戦があり、
敗戦があって、占領と解放があり、
その後の復興から高度成長、
さらに冷戦の崩壊までまたいでいる
長い時代です。
一言に凝縮できるわけがないですよね。
では、そもそも「昭和」が目指したものは
何だったのか?
「昭和」が始まったのは、1926年のこと。
大正天皇の崩御とともに、
25歳で昭和の天皇が即位されました。
この「昭和」という元号、
「百姓昭明、協和万邦」
という言葉からで、
中国の古典であり、儒教の聖典の1つ
『諸経』に記載されているもの。
先史時代の伝説的な王である、
「尭(ぎょう)」という人物の
業績を記録したものなんですね。
尭の実在は、ほとんど疑われていますが、
王朝時代が始まる前に「いた」とされる
8人の王たちの1人で、
ほとんど「神様」に近い人物です。
そして言葉の意味は、
「百姓」が「身分を明らか」にしたことで、
「世界各国が協力し合い、
世の中が平和になった」ということ。
この場合の「百姓」は農民でなく、
たくさんの「姓」。ようは、
いろんな階級の身分を整理し、
社会の秩序を整理した上で、
争いいが怒らない、平和な世の中を作り上げた
……ということになるわけです。
そんな世の中を作った王様の尭自体は、
なんでものちの時代の門番に匹敵するような
貧しい食事と衣服で過ごしたといいます。
それくらい「平等な社会」を
彼は目指していたんですね。
そんな王の業績を、
天皇が軍国主義でまつり上げられていた時代に
元号として採用したのは、不思議な話!
でも、考えてみれば、その言葉通り。
国民のため、自らの地位を人間に戻し、
平等になることで国民を救い、
戦争をやめて平和な世の中を実現したのが
昭和天皇だったわけです。
理想として掲げられた伝説の王に匹敵する行動を、
じつは自ら体現されていたわけですね。
感謝をもって私たち、
この日を迎えないとです。