得体の知れない「何か」を描く力

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久しぶりに読んだ小説の紹介ですが、
知念実希人先生の
『ヨモイツクサ』(双葉文庫)
という作品。

17万部突破と、非常に売れている本、
6月に文庫化されたようです。

こちらホラー半分、
SF半分という感じですかね。

「その森には何かがいる」。
最初は今どきのトピックで巨大ヒグマとでも
闘うのかと思いきや。
詳しくは言いませんが、
想像以上の展開になっていきます!!

ただ、私も結構、知念さんの作品を
何冊か読ませていただいていますが、
お医者さんでもあり、
非常に科学的なミステリーを書く方。

一見「出来過ぎ」のように見える部分も、
論理的な根拠がはっきりあるところは、
さすがという感じがします。

でも、それ以上に、
書き手の一人として参考になるな
……と思うのは、文章表現ですよね。

優れたSFXのみならず、
アニメにゲームに、AIにと、
現代に生きる私たちは「すごい映像」に
もう慣れっこになっています。

そんな中、文章だけで書かれた
「エグいもの」や「グロいもの」や
「得体の知れない恐怖」を
頭の中で想像するって、
どれくらい可能でしょう?

でも、うまくできたら、これ、
怖さ100倍になりますよ(笑)

いや、それがいいことなのかわかりませんが、
やりようによっては
映像で見せるよりも何倍も強い感情を、
文章は頭の中で引き起こすことができる。

そんな文章表現の、
大きな参考になるかなと私は思ってしまいました。
血がたくさん出る作品に耐性がある方は、
ぜひ試してくださいませ。

ちなみに「ヨモツイクサ」は、
漢字で書くと「黄泉軍」のこと。

日本神話で、冥界に落ちたイザナミ神が、
わざわざ会いに来てはくれたものの、
腐り果てた姿を見て逃げてしまった
夫のイザナギ神を追いかけるために
遣わした冥界の軍勢とされます。

神話のバージョンは様々ですが、
この夫婦の神の子が
日本の最高神となる天照大神になりますね。

日本の神話も実際は結構グロく、
想像力を鍛えさせるものではあります。

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