今どきの「戦争」

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ウクライナの情勢に関連した話ですが、
単純に「戦争反対!」ということでなく
ビジネス作家らしく、ちょっと戦略的なことを考えたいのですが、
何より今回のすごいところ、
「戦争がSNSの時代に起こっている」と
いうことではないかと思います。

その何がすごいかといえば、
youtubeを見れば、リアルタイムで
誰かが撮っているウクライナの都市の映像が出てくるし、
Twitterを見れば、
「今、空襲警報が鳴っています」とか
「どこかで爆発音がしました」なんていう
現地の人々の声がリアルタイムで入ってくるということなんです。

こんなふうに攻撃されている人々の直接的な声が
その都度、世界に発信される戦争って、
人類はあまり体験していないのではないか?

思い出すのはイラク戦争ですが、
あれは2000年代でしたか。
リアルタイムで戦闘機のミサイル攻撃がCNNなどで放送され、
当時の私は衝撃を受けました。
戦争っていうより、まるでゲームじゃないか? と。

ところが今回、リアルタイムで入ってくるのは、
「恐怖」であり、「悲鳴」であり、
「悲しみ」であり、「憤り」であり……と。

だから当然、反応も早いですよね。
ロシア国内ですら、あっという間に反戦運動が広がりました。
ウクライナの大統領もその力を察してか、
SNSでロシア国民へ向けて平和を訴える発信を行なっています。

なんでもプーチン大統領は、
冷戦の頃の世界秩序に戻したいという
野望を持っているそうです。

でも、中国のようにずっと
海外に開けたネットに規制をかけてきた国ならともかく、
すでに価値観においては国境が撤廃されている情報社会を、
90年代以前のような情報統制下に戻すってことは、
おそらく不可能ですよね。

どこかKGB全盛期のころを引きずっているプーチンさんも
まさかここまで世の中が変わってしまったとは
想定外だったのではないか。
その証拠に、ウクライナ侵攻にも思いのほか
手を焼いているようです。

もしも今回、民間レベルで
反戦情報の世界的拡散が行なわれ、
実質、戦争の維持が困難になっていけば、
これは
「現代のSNSの時代に戦争という問題解決の手段が難しい」
という
前例になる可能性もあります。

ひょっとしたら長い間、
人類が手にできなかった「核兵器をも越える抑止力」をも
生み出せるチャンスなのかもしれない……。
なんて期待を少し持ったりもします。

本当に大変とは思いますですが、ウクライナの人々の頑張りが、
世界を変えるかもしれませんね。

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