ようやく認められた「世界を救った功績」

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ノーベル生理学・医学賞が発表されましたが、
昨年も一昨年も、
「とるんじゃないか」と言われながらも受賞しなかった
カタリン・カリコ教授が受賞しましたね。

新型コロナウイルスの基礎となる、
メッセンジャーRNAの理論を確立した方。
共同研究をしたワイスマン教授とともにの受賞です。

陰謀論は除外するとしても、
ワクチンにどれくらい効果があったかは
統計的な検証が必要になります。
過去に失敗もしているノーベル賞ですから、
それらを慎重に成果を見極めた上での
判断なのでしょうね。

まあ、いろんな意見は今後もあるんだろうけども。
間違いなく、この技術を応用した薬品は、
これからも続々と開発されていくと思います。

カリコさんの奮闘は、ワクチンがやっと誕生し、
世界を覆っていたコロナの恐怖に
光が差した当時も、かなり紹介されていました。

冷戦化のハンガリーで生まれ、
やっと研究者になれたものの、
研究成果を発表することすらできない。
次第に資金も尽き、生活も困難になってきた……。

それで娘が持っていたぬいぐるみに
全財産の2万円を隠して
アメリカへ転身したんですね。

もっともアメリカでも、
聞きなれないメッセンジャーRNAの話を理解する人は少なく、
清掃業についた夫の少ない稼ぎで、
細々と生活する日々が続いたそうです。

そんななかで徐々に新薬開発の可能性として
カリコ博士の研究に賛同する
研究者も現れてきた。

その1人が今回、ノーベル賞を共同受賞した
ワイスマン博士だったそうですが、
ときは2000年代。

世の中でバイオベンチャーなるものが活性化すると、
ドイツのビオンテック社や、
アメリカのファイザー社が可能性に投資をし、
ワクチン開発へと結びついたわけです。

実際、「結果がすべて」の
ベンチャー企業での研究だったから、
今回、あっという間に新技術がワクチンに応用され、
世界に広まる結果になったのでしょう。

ロシアや中国が象徴的ですが、
国家組織と医療が密着したところだと、
既成の考え方の枠を超える技術がなかなか生まれない。

カリコ教授の成果は、
科学技術応用の新しい道を開いたという点でも、
実は重要なのかもしれません。
本当は日本も、そういう波についていかなくては
いけないんだろうなあ……。

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