悲しき「冷蔵庫」の生涯

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画像、私の家にある冷蔵庫ですが、
たまたま冷凍庫に入っていた
アイスクリームかなんかの箱が引っかかり
引っ張って開けたら
「製氷器」のところが外れてしまいました。

バラバラになった部品を組み合わせれば、
なんとか復活しそうなんですが、
ちょっと複雑で構造がわからない。

おかげで氷は作れないのですが、
それでも電気は入っているから、
なんとかなるかと思いきや、
どうも少し「冷え」の力が制限されるようなんですね。
野菜や肉が、このままでは不安です。

それで修理を頼まなければ……ですが、
問題が1つ。この冷蔵庫、
自宅の両親が20年くらい前に買った
古いものなんです。

どことはいいませんが、
日本を代表するメーカーが、
より大胆な社名を使っていた頃の製品。
当時の電気屋さんは、すでに存在しません。

案の定、電気店に連絡しても、
「そんな古いものは見られない」と、
最初から受け付けてくれません。

仕方ない、某メーカーに連絡をします。

「部品があるかどうかわからない」
「すぐに直るかもしれないけど、
見てみないとわからない」とのこと。

それはわかる。
けども、困ってしまうのは次の言葉。
「修理の人間が行くのに、
予約が埋まっているので1週間くらいかかります」

「えっ、それじゃあ、
中のものが腐ってしまいますけど!?」
「ごめんなさい。ダメなんです」

「なんとか自分で直すから、
当時の説明書の画像とか、
どういうふうにはまっていたかがわかる
写真とかはありませんか?」
それもない……と。

結局、新しいものを購入するしかなさそうですが、
これを人間に当てはめたら、おかしくないか?

70歳とか、80歳のご老体の方が、
足とか手を怪我をしてしまって、
血が止まらない。
でも、体の重要な部分は、
ちゃんと健康的に機能しています。

それで医者に行くと、
「申し訳ありません。患者さまは高齢すぎて、
傷を治すに相応しい薬が、今ないんです」
「取り寄せますが、
少し時間がかかるかもしれません。
それまで血が止まらなかったら、
申し訳ありませんが、死んでくださいね(ニッコリ)」

そりゃあ古い製品を使っているのが
悪いのかもしれませんが、
なんだかこれだけで寿命が終わってしまうのは、
個人的にはどうも腑に落ちないなぁ……。

どことはいいませんが、
これが「人は財産」を掲げて、
困ったときには助けてくれる「街の電気屋さん」を
全国にネットワーク組織していた
日本を代表する企業の現在。

かつて系列会社だった出版社には
現在も大変お世話になっていますが、
そういう会社の現在がこういう感じならば、
日本の電気産業が斜陽したのも
当然なのかなぁ……などと。

まあ、電話対応してくださった女性は、
そんな時代のことなど知らないのでしょうし、
できる限りで精一杯に
やってくださったと思います。

ただなんとなく「モノ」への考え方が、
日本全体でおかしくなっているのではないか。
そんなふうに悩んでしまった今日でした。

何より冷蔵庫、買いにいかないとなぁ……。

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