流れのままに身を任せ

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先日の話になりますが、
一緒にお仕事をしていた先生が、
急死されることがありました。

すでに90に近い高齢だったのですが、
医学者であり、
およそ病気とは縁のなさそうな健康な方。

メールのやり取りをし、
「今考えている本は面白いものになりますよ」
なんていうことを言われ、
では、「打ち合わせに行こう」と
地下鉄に乗っていたら、
編集者さんから携帯に電話がありました。

「今朝、先生がお亡くなりになったそうです……」

あまりに突然のことで呆然としてしまいました。
こんなことも世の中にはあるんだ。

ショックと悲しみもありましたが、
おかげさまで年末のスケジュールも空き、
なんとなく今年はちゃんと大掃除ができたかも。

ともあれ、90歳前で人生をまっとうした大先生。
毎日2時間歩き、
ほとんど1人暮らしをしながらも、
食事はほとんど自分で自炊し、
他人の手をほぼ借りない、
たくましい方でありました。

ただ、性格が「ポジティブだった」とは
とても言い難く、
「医学的に老衰なんてものはない」という
独自の見解を持っていた方。

つまり、人は病気で身体を削られて死ぬか、
認知症で心を削られて死ぬかの
2択しかない。
私たちは人生の終盤、より苦しまないほうを選んで
上手にスローダウンしていくのが
賢い生き方なんだ……と。

そんな先生、
「新しい本のアイデア」を一生懸命に考え、
「明日はどんな話を出版関係の人々にしようかな」
なんてワクワクしながらベットに入り、
そのまま向こうの世界に行ってしまったわけです。

こっちからすれば、
「ちょっと、その話、1人で持ってかないでよ」
ですが(笑)……。
こんな幸せな人生の終わり方ってないですよね。

「大往生」というものがあるとしたら、
まさしくその通りの逝き方ではないか。

画像は墨田川のほとりにある庭園ですが、
そのときはいずれやってくるから、
流れに身を任せ、やるべきことをただ
やろうとしていけばいい。

そんな生き方ができれば、理想ですよね。

「心を無にして穏やかになり、
ただ、流れに身を任せていればいい。
それは死ではない。
それは死ではない」
(Beatles, Tomorrow Never Knows)

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