消えていく「昭和」

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4月29日は、昭和の日。
もともと「昭和天皇のお誕生日だった日」ですね。

ドラマの影響か、世の中では少し
昭和回顧のブームがありました。

まあ、私もそうですが、世の中で仕事をしている人の
ほとんどは昭和生まれ。
今に比べれば様々な問題はありますが、
子供のころを思い浮かべて
「あのころはよかったなぁ……」と。
令和の現代の「生きにくさ」に対する
アンチテーゼのようなものなのでしょう。

ただ、そんな昭和は、
どんどん消えていくんだな……と思うのは、
たとえばの画像。

私は現在、実家に戻り、東京の、
今は「高級住宅地」と呼ばれる範囲の家で
仕事をしております。

実家は単に古いだけなのですが、確かに周りには
「すごいお金持ちの家」というのが、
結構ありました。

高い塀があり、広い庭があり、当然のように大きな車があり、
大きな犬を飼っている……。

そんな住宅地で普通にゴムボールを使い、
数人で「野球っぽいこと」をしていたのが
子供のころの私たち。
必ずボールはお金持ちの家の方の庭に入ってしまい、
そのたびに「どうしようか……?」と
子供たちは頭を抱えたものです。

でも、思い切ってベルを鳴らし、
「ボールを取らしてほしい」といえば、
たいてはセレブの方々は快く、
すごいお庭に案内してくれました。
夏は麦茶なんかも出してくれたりして……。
だからたくさんの「すごい庭のある家」を
子どもころは見ていた気がします。

でも、そんな「すごい庭のある家」が、
今はどんどん消えていっているんです。

お金持ちの家ができたのが、
私の祖父くらいの年齢としたら、
子どもはともかく、孫の代は維持が難しい。

それで再開発も日常茶飯事になっていますから、
最後の砦のような住居が、現在、
どんどん売られているようですね。

そういえば人口減少で、
なくなる可能性のある市町村が発表されました。
効率性を考えれば、
東京の大きな家はなくなったほうがいいのかもしれない。
でも、誰も住まないような建物ばかり建って、
この町に住んでいる人が果たして幸せになれるのかは
もっと真剣に考えられねばいけないでしょうね。

私たちはもっと「歴史」という観点から、
ものごとを考えるべき……というのも、
最近の昭和ブームはほとんど「バブルの頃」だったり、
「高度成長の時代」にばかり焦点を合わせています。

昭和というのは、そもそも世界でも例外なくらい
長い元号です。
生前で元号を変えない法律の結果、
そうなったのでしょうが、
60数年の間に時代は激変しました。

・大戦へ至る軍国の時代
・日中対戦と太平洋戦争の時代
・占領下の復興時代
・高度成長の時代
・バブルの時代

どの時代を切り取るかで、
「昭和」のイメージも大きく変わってくる。
そのことはよく考えないとですね。

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