「遅咲きのドン・キホーテ」の生涯

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昨日、4月23日は、

「サン・ジョルディの日」と紹介しました。

「本とバラ」を人に贈る習慣があるのは、

作家のセルバンテスと、

かのシェイクスピアの命日だからとか。

ただ後者は本当かどうか、よくわかりません。

そこで今日は

ミゲル・デ・セルバンテスさんについて

紹介してみたいのですが、

16世紀から17世紀に活躍した

スペインを代表する国民的作家。

 

でも、『ドン・キホーテ』以外の作品は、

あまり知らないですよね。

 

それもそのはずで、

この方が『ドン・キホーテ』でデビューしたのは、

58歳になって。

さんざんに過酷な人生を過ごしてからの

遅咲きデビューだったんですね。

彼の生まれは商人の子で、

父の事業がうまくいかず、貧乏な境遇でした。

それでも「紙切れを見つけては読んでいた」というくらい

読書好きだったんですね。

 

青年になり、てっとり早く給料がもらえた仕事は軍隊。

海軍に入り、各地を転戦しますが

結局、片手の自由を失い

捕虜にまでなるという散々な人生。

 

それで除隊後、徴税官の仕事を得るのですが、

「お金を預けてきた銀行が破綻する」

という不運に見舞われたそうです。

 

職を失った末に借金も背負い、

監獄に収監されることを余儀なくされたとか。

これが50代のころですが、

つくづく不運な人生を歩んできた人だったんです。

それでも「文章を書くこと」だけは大好きで、

捕虜になっても、受刑者になっても

いつか出したい小説の原稿だけは

ずっと書き続けました。

 

変化する時代の中で、

必死に騎士としての誇りを守ろうと

あがき続ける男の物語。

それは自分の人生を、

ちゃかしたような作品だったんですね。

せっかくの『ドン・キホーテ』の大ヒットでも

セルバンテスは版権をすぐに売ってしまい

生涯、貧乏暮らしから抜け出せなかったそうです。

 

でも、陽気な人々に囲まれ

有名になってからはほんの十数年ですが

満たされた生涯を送りました。

あきらめずに夢を追い続けたことが

晩年の幸福を呼び寄せたんですね。

 

「人生は、1枚の銀貨のようなものだ。
それをどう使おうと勝手だが、
使えるのはたった1度きりである」

そんな言葉を残しています。

 

[Words of Wisdom〜君はこの言葉を知っているか?]

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