「おはぎ」の秘密

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昨日はヒガンバナの話をブログに書きましたが、
こちらも「お彼岸」の時期にはお馴染みのものです。
「おはぎ」ですね。

この時期、どこのスーパーでも売っていますが、
こちらは目黒の玉川屋さんで買った本格的なもの。
だから甘さ控えめで、味も上品ですね。

東京のスーパーでは
春でも「おはぎ」という名で売っていますが、
本来は正しくありません。

春は「ぼたもち」で、秋は「おはぎ」。
それぞれ、春の花である「牡丹」と
秋の花である「萩」に見立てて
仏前に供えたわけです。

この時期にやってくる死者の魂も、
単なる花より食べられるほうが
嬉しいんじゃないか……と。
こういう発想はなかなか粋ですよね。
「後で生者が食べられる」という
楽しみもあったのでしょう。

にしても、紫の花が咲く萩にも、
赤い花が咲く牡丹にも、
似ていなんじゃないか……?
と、思ったりもします。

それは当然で、
こんなふうに甘いお菓子になったのは、
砂糖が普及した明治以降のこと。
そもそもはWikiによれば
「もち米と小豆を炊いたもの」とありますから、
むしろお赤飯のような感じだったのですかね。
これを花の形にアレンジしたのでしょう。

春は「ぼたもち」で、秋は「おはぎ」でしたが、
どちらも夏や冬には咲きません。
それでも食べようということで、
その昔は、夏と冬の言い方もあったそうです。

夏……夜船(よふね)
冬……北窓(きたまど)

「おはぎ」の特徴は、お餅をつかなくても
握るだけで作れること。

そこで夏は、着く音がしない夜の船に。
冬は月(つき)のない北側の窓に
なぞられてこれを呼んだそうですね。

もし「夜船」とか「北窓」という名で
お菓子が売っていたら、
同じものと考えましょう。

しかし日本文化の言葉へのこだわりは、
なかなか面白いですよね。

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