世界基準で考えねばならない「平等」の精神

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7月14日は、日本人には馴染みがありませんが、
フランスの「パリ祭」が開催される日だそうです。
祝日であり、盛大なお祭りが行なわれますが、
実際は何の日だかご存じでしょうか?

「建国記念日」
あるいは「フランス革命勃発の日」。
といって革命が成功した日というわけではありません。

民衆が放棄し、歴史上では、
「バスティーユ襲撃」と呼ばれる
監獄の襲撃事件が起こった日なんですね。
1789年のことです。

一体なぜ、この襲撃が起こったのか?
当時、フランスはルイ16世の統治時代。
議会は「聖職者・貴族―平民」の身分制がとられ、
最下層である平民の意見は
ほとんど通らない日常が続いていました。

その中で後に処刑される
ルイ16世には派手な生活が目立ち、
民衆には不満が募る。
そこで権利を求めて開催した175年ぶりの議会でも、
権利を求める平民の声は却下されるわけです。

せめて差別をなくしてほしい……ということで、
民衆は蜂起。

当初は弾薬を盗むことが目的だったようですが、
「政治犯を収容している」とされたバスティーユ牢獄を、
「ついで」で占拠してしまったわけです。
実際のところ収監されていた囚人は
7人しかいなかったそうですが……。

そういえば先日もフランスで暴動がありましたが、
動き出したら止まらないのが、こうした政治運動です。
とくに多くのフランス平民は、
国を支配していた貴族たちに差別され続け、
憤っていました。

それから続く革命は、
「パリ祭」どころのものではありません。
血で血を洗うような壮絶なものとなり、
その後の戦争でも世界を巻き込んでいきます。

ただ、日本人が理解しなければいけないのは、
「自由や平等」は、そうまでして
「命懸けで獲得したものだ」という思想が、
欧米には確実にあるわけです。
とくに革命で国を作ったアメリカとフランスには
強いように思います。

このあたり「お上には逆らわない」が原則であり、
明治の革命もトップダウンで行なった日本には、
人種差別にしろ、LGBTにしろ、
すぐに大混乱になる欧米の感覚がわかりません。

ただ、いい悪いは別として、
彼らには「差別や不平等がある」という状況には、
「戦って自由を勝ち取るべきだ」とする
信念があるわけです。

とはいえ現実に差別や不平等が
なくなったことはありませんから、
いつでも油断すると混乱が起こります。
でも、「それに対して戦うことを繰り返さないと、
世の中は改善していかない」という考え方が、
根本的にあるのでしょうね。

逆に日本は、争いごとを好まない文化が定着しているぶん、
差別や不平等に鈍感になっているところがあります。
だから、先日は、ジェンダー差別の対象となっていた
タレントが自殺することもありました。

知ってほしいのは、
気軽に私たち、自分たちの考えとは違う「マイノリティ」を
自分たちの基準で断罪しますが、
世界ではそのこと自体があまりゆるされていません。
だから平等を求めて戦う「革命」が、
「記念すべき日」にもなるわけです。

「自分たちと違う相手」を、
理解はできなくても、相手の立場で考えることを
私たちは試みていかなければいけない。
そうやって「違う考え」を許容することが、
これからの時代には必要になるでしょう。

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