賢者の言葉26 「ビタミン」ならぬ「オリザニン」の日

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「自分にしか届けられない幸せを、
大切な人に、たくさんの人に届けること。
これを目指すことほど、人生を充実させてくれて
心躍らせてくれることはないでしょう。
そしてその領域には、
思いさえあれば誰もが到達できるものです」

いい言葉ですよね。

こちらは世界で初めて
「ビタミン」の抽出に成功した科学者。
鈴木梅太郎さんの言葉。
戦前の日本を代表する科学者の1人
……といってもいい方でしょうね。

12月13日は、彼がその成果を東京で発表した日
……ということで、
「ビタミンの日」と呼ばれているとか。

でも、少しこれ、もったいない話で、
ビタミンの発見者は国際的には別な人。
梅太郎さんはこの物質を
「オリザニン」として発表していました。
今でいうビタミンB1ですね。

鈴木博士が研究していたのは、
多くの人を苦しめていた「脚気」の治療です。
最悪、心不全によって人を死に至らしめる病気。

この脚気に似た症状を
ニワトリやハトも起こすことがわかっています。
そこで博士は、白米を餌にした鳥が
脚気になりやすいのに対し、
玄米だとそうならないことに気づいた。

そして玄米に含まれている成分から、
最終的に「ビタミンB1」を抽出することに成功しました。
彼はこの物質を「オリザニン」として、
東京化学会で発表しました。

惜しむらくは、鈴木博士、この発見を
世界に向けて大々的に発表せず、
国際的にはあまり認知されなかったこと。

同じ年にすぐ、
同様の研究をしていたポーランドの
カシミール・フンク博士が同じ物質を発見し、
これを「ビタミン」と名づけて世界に発表しました。

それで国際的には
「ビタミン」の名が定着してしまったのですが、
ちょっと残念な成果になってしまいましたね。

本当だったらすべての「ビタミン」は。
「オリザニン」という言葉に変わり、
「デカビタ」は「デカオリ」で、
「ドデカミン」は「ドデカニン」だったかもしれない。

まあ、合成清酒など、食品分野で数々の功績を残している
鈴木先生、あまり気にはしていないかもしれませんが、
私たちは日本人の優れた業績として
ちゃんと記憶しておきたいですね。

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