ここに来ると身が引き締まる、学問の発祥の地!

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先日は久々、ここに来る機会がありました。

目の前に聳える巨大な建物。
こちら、お茶の水にある「湯島聖堂」ですね。

ちゃんと「お賽銭箱」があり、
お参りもできるのですが、
ここは「お寺」でも「神社」でもありません。

日本では数少ない「孔子廟」という
宗教施設。
孔子を祀った、「儒教」にとっての
神殿やお寺にあたるものなんですね。

そもそも、この聖堂を作ったのは、
5代目将軍・綱吉に遡るそうです。
1690年のこと。
上野公園にあったものを、こちらに移して
増築したのだとか。

ただ、孔子といえば、
日本では神様として祈る存在でなく、
その教えである儒学を
武士たちが学ぶ人物だったわけです。

武士道』にも強い影響を与えていると、
新渡戸稲造さんもちゃんと書いています。

そんなこともあり、1797年にここは、
幕府直轄の学校、
「昌平坂学問所」になったわけです。
学長は代々、林羅山の後継者たちが務めました。

つまりは、「日本の公教育は
ほとんどここから始まっている」ということで、
東京大学やら、文部省やら、国会図書館やら、
国立博物館やらの起源が「じつはここにある」と
言ってもいい場所。

まあ、明治以降はそれらが別個にできていったので
1922年から史跡の
「湯島聖堂」になっているのですが、
学生も研究者も、あるいは作家や出版業界の人間も。
厳粛な気持ちで
ここにはお参りするべきなのかもしれません。

とくに古典を現代語訳している作家は……。
孔子さんにも、著作の中で
私はずいぶんとお世話になっているように思います。
でも、ここでは何と言って、
お祈りを捧げればいいのだろうか……?

すぐ近くには、5メートルの巨大な
孔子像もあります。
ちょっとした森のようになっていて
散策もできる場所ですから、
気分転換にいい場所かもしれませんね。

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