真っ白な灰に……

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「燃えつきた……真っ白な灰に……」

おそらく私の世代の男の子であれば、
誰しもが憧れながら、
誰しもがその域に達することのないだろう壁を
意識せざるを得なかったのが、
この表情ではないか。

そうはなれない、
だからこそひたすら格好いい……。
それが矢吹ジョーの、
「燃え尽きて灰になった」
この姿だったと思います。
画像はアニメの楽曲を集めたCDよりですね。

『あしたのジョー』のあまりに有名な
この最後ですね。
そして漫画を描いたちばてつやさんが、
お亡くなりになったそうです。

すでにパンチドランカーで
満身創痍の状態でありながら、
世界チャンピオンに挑み、
判定負けの末、最後は目を覚まさないジョー。
(明確に死んだとは記されていない)

物語は完全なバットエンドなのですが、
真っ白に描かれた姿と、
この満足した表情です……。

じつは原作者の梶原一騎さんは、
そうでなく、
ハッピーエンドのラストを思い描いていた
……という話がありますね。

「勝負には負けたけど、ケンカには勝ったよ」と
最後は病院で、歪みあってきた
ヒロインのお嬢さん、白木葉子と
喜び合うようなエンド。

でも、「それではジョーらしくない」と、
ちばてつやさんが、原作の意に反して
ラストを変えてもらうように頼んだとか。
最後まで、それこそ灰になるまで
やりきるのが矢吹ジョーなのではないかと。

考えてみれば、すさまじい漫画でした。
大事な試合でとことんジョーは勝ってないし、
ライバルはだいたい亡くなるか、廃人になっていく。

ヒロインの白木葉子とは、歪み合うばかりで、
どこにも明るい未来は見えません。
そういえばラストで
ジョーがグラブをつけていないのは、
これを彼女にプレゼントしたからでしたね。

でも、とにかく悪態をつきながら、
ボクサーとして、
目の前の壁に挑み続けるジョーの姿。

じつは漫画自体は私の世代より前なのですが、
ちょうど80年代になったころに
リメイク作品が映画化され、
一種のブームになったことがあります。

そのときに私たち世代は皆、
ジョーの生き様を心に刻んだんですね。
のちのち大人になって
皆がワーカホリックになっていくバックグラウンドには、
案外と「あしたのジョー」が
影響しているのではないか……。
精神的にはいい影響ではないかもだけど
日本経済にはよかったのか(苦笑)

そんな作品ですから、
観ていない人は映画でもいいから、
1・2の2作をぜひ観てほしい。
ボクシングに興味がなくても
まったくいいのではないか。

日本人の貴重な財産です。
ちば先生、本当にありがとうございました!

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